広報誌「上野」Vol.0
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り子氏(本学講師)、曽根麻矢子氏(本学教授)など、現在の日本の古楽界のまさしくトップレベルの演奏家による共演が繰り広げられ、ヴィオールのソロ作品からオペラまで、マレの作品ばかりを集めた珍しいプログラムが披露されました。2017年で9年目を迎えたマイケル・スペンサー客員教授による「ファシリテーター養成講座」では、車座になってワークショップを行ったり、課題の発表の場になったり、様々な形でこのホールが活用されています。2017年3月、国際音楽学会東京大会2017が上野の東京藝術大学で開催された際、上野学園大学は「協力プロジェクト」として参加しました。一つは、我が国で「唯一」、奈良時代以降明治維新以前までの全ジャンルにわたる日本音楽史料(約3万点)を所蔵する日本音楽史研究所の、主に雅楽と声明にまつわる史料展観およびその史料に基づくレクチャーコンサートです。また、もう一つは学園が所蔵する日本に「唯一」現存する鍵盤楽器タンゲンテンフリューゲルについての3年にわたる科学研究費助成事業の成果発表のレクチャーコンサートでした(上野学園学園が誇る貴重な史料が実際の演奏に使用され、その研究成果と史料の価値を、東京に集まった世界の音楽学者たちに高く評価していただきました。学会の大会テーマである「音楽学―理論と実践、東と西」に絡めて、東洋と西洋の唯一無二の響きがこのホールで繰り広げられました。ホールは地元の方々との交流の場・憩いの場にもなっています。とりわけ毎月1回、水曜日のお昼休みに開かれているランチタイム・コンサートは、本学の学生や教職員だけでなく、近隣で働くビジネスパーソンや住民の方々にも親しまれています。12月のクリスマスのランチタイム・コンサートでは、昨年に引き続き、近隣の保育園や幼稚園のお子様たち、そのお母様や先生方をお招きし、〝台東くん〟と一緒にクリスマス・ソングを楽しみました。毎年5月末〜6月初旬恒例の、テレビマンユニオンと本学ホールの共催公演「ヴィオラスペース」開催期間中には、近隣の小学生が参加するワークショップが開かれ、アーティストたちとの交流を楽しみました。古楽器コレクション第唯一の…地元上野の方たちと…詳細は子供のためのランチタイム・コンサート(2017年12月)いつもは静寂に包まれるホールもこの日だけは、泣き声も叫び声もOK! 地元の“台東くん”も参加しました。〔写真:庄智子(ソプラノ)、白井雅子(ピアノ)。いずれも本学講師〕石橋メモリアルホール検索でご確認ください。ヴィオラスペース公演(2017年5月)第26回を迎えた今回のテーマは「フランスが生み出した芸術音楽」。5月31日の演奏会には、皇太子さまが行啓されました。〔写真:地元の台東区上野小学校3〜5年生とA.タメスティ氏、波多野睦美氏〕石橋メモリアルホール全景写真:川澄建築写真事務所10回ミュージアム・コンサート(楽器研究室共催))。日本音楽史研究所:日本音楽史料展とレクチャーコンサート(国際音楽学会2017協力プロジェクト)(2017年3月)唐楽と声明の響きがホールを満たしました。〔写真上:伶楽舎/下:迦陵頻伽聲明研究会。唐楽解説:スティーヴン・G・ネルソン/声明解説:新井弘順。いずれも同研究所研究員〕タンゲンテンフリューゲル演奏会(科学研究費助成事業の成果発表および国際音楽学会2017協力プロジェクト)(2017年3月)日本には1台、海外でも30余台しか現存しない、本学が所蔵する珍しい鍵盤楽器の3年に及ぶ研究成果の発表。〔写真:渡邉順生客員教授〕地元上野の方たちと…唯一の…        9石橋メモリアル

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