学長挨拶

2011年の3月11日、日本は東日本大震災という災害に襲われました。心を引き締めて帰国、その四月から学長の任をお預かりして四年が経ちました。それ以後の四年間はウィーン大学の教職に戻っていましたが、2019年の春より、再度の信任をお受けして日本に帰りました。

最近の数年間、大学は大きな試練に見舞われました。日本全体、世界全体の社会的・文化的情勢もが、「新型コロナ」という未曽有の災厄によって深く、大きい打撃に見舞われています。音楽を愛し、本格的に学びまた教え、その真の意味での楽しさと幸せを体得し、社会に貢献しようと志す私たちにとって、時代の風はいっそう厳しいものがあります。

しかし、大震災の直後にあの確信は生まれたのでした:「こういう時にこそ音楽を!」。その灯は決して絶やしてはならないでしょう。

上野学園大学は教・学一体となってこの自覚を新たにしています。「心から心への音楽文化」を健やかに学び、それぞれの生き方で社会に貢献しようと志す若人にとって、大学は最後までよき学び舎であり続けます。そのための明るい将来を、切に願うものであります。

上野学園大学 学長 前田昭雄

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