「より深い自覚に基づき、親切で柔軟な心とともに、自分自身を厳しく見つめ、努力し得る強い意志と知性を持ち、そして健康を維持していたい。」これが学園創立者、石橋藏五郎の理想であり、短期大学、高校や中学でそれぞれの専門の科目の研鑽を積むことは無論のこと、全人格教育を行うことを学園としての理想としてきました。
石橋藏五郎は「人間は、まことに人間としての一番大切なものをつくり上げて、そこに技術なり、学問なりがなければいけません。技術が優れていようが、学問が優れていようが、人間としてのことを踏まえなければ、これは価値のないものです。いつもそういう考えのもとに〈自覚〉を決して忘れてはなりません。」(『上野学園学報33号』より)と語っており、また昭和24年に全国の高等学校で初めての音楽科が上野学園高等学校に設置された際の校長であった石橋益惠(のちの上野学園学園長、理事長)も「私は人間を作ることが、大切だと思っています。音楽を通して人間を作り、人間を作ることによって、よい音楽を育てる。」(『上野学園学報5号』より)という考えのもと、専門の科目教育を通じて、生徒、学生の人格形成を行うことが上野学園の教育理念として現在も脈々として息づいています。